製材。原木からのメッセージ その3。

真っ白いきれいな木肌が見えてくると周りのみんなの気持ちが盛り上がり和やかな雰囲気が広がりました。
カラフルな色の鞄ほど白く素直な木目の材が必要です。
ナチュラルコーティング(白木仕上げ)の鞄にいたっては、ここ数年、適する材を探すのが難しくなってきていたので、これで一安心。
シナノキは他の材に比べると、水分を吸いやすく痛みやすいため
製材後の保管が、鞄の材として使えるようになるか否かを左右します。
季節に適応させ水分を吸って吐いてをくりかえし強くさせながら
数年の年月を経た時、
シミや虫食いなどがない、製材時の姿に近いままにしなければ、、、。

昼食をごちそうになって帰り道
小椋さん併設の銘木店を案内していただきました。
びっくり!
見たことのないような大木の銘木が広い店内に整然と美術館のように並べられ
その迫力に言葉を失いました。
とにかく、その木目の美しさ、樹種の多さ、小物からテーブル天板用の材まで幅広い用途でのストックの多さ、見やすさ、、、、。
命がいっぱい過ぎて
さら〜っと見ることができず
結局、午後の製材は渡部さんにお任せしてずっと店内で過ごしていました。

気がつくと6時近い時間に。予定を大幅に超えていました。
渡部さんが、宿をとりましょうか?とお気遣いくださったのですが
胸いっぱいの一日。休み休み帰ることにしました。(これが大正解でした。この夜から季節はずれの雪景色になり夏タイヤに履き替えてしまっていたので帰れなくなるところでした。)
帰り道。気温は0℃!
身体は冷えきっていましたが、心に残る貴重な一日になりました。

これから鞄ができ上がるたびに、鞄作りを支えてくださる今日の日のみなさんの姿が目に浮かびます。この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

亀井広子


白木仕上げもできそうな、、、!

木屑を払う渡部さん。「これが虫食いやカビの巣になるので』と。

近くに生えていたというシナノキの大板。
全面に杢が入り美しい光沢。
シナノキは皮を取ることを主としていたため伐採されずに一本だけ山に生えていたものだったとのこと。

凍結注意マークが!寒い一日でした〜。